◆◆◆ 1919 ★ ケリー天国へ-6 ◆◆◆

インターネットラジオFM北千住 ときどきゲリラ的に収録・生放送

(あとはいつでも見れますよん)

2013.11.28.

私の絵を一番成長させたのは、雑誌表紙の、イラストの仕事だったと思う。

イラストレーターの展覧会は、絵画の展覧会とは全く違う世界。

とくに、ウノアキラさんや、マナベヒロシさん、谷内六郎さん、山本容子さん、デュシャン・カーライなど、何度見ても素晴らしい。

どうしたら、ご要望の課題をクリアした絵になるのか。

注文の期待に応えられるのか?

絵画制作というのは、誰からも、何の指示も出されないからね、慢心しか産まれない。

そう、誰も教えてはくれないのである。

ケリーが何故死んだのかは、まだ解らない。

月曜日に突然に他界したという話だけである。心筋梗塞か、脳卒中。

バリ島だからね、病院に搬送される前に急死ってことだろうね。

近所の病院じゃ、保健室程度の設備しかないからね。行ったとしたってしょうがないだろうし。

ケリーのお気に入りの夢二の赤い着物の絵

そういえば、アタシの絵は、考えの足りない絵だと言われたことがあったよな。

誰に言われたか忘れちゃった。彫刻家のスズキさんかな。

確かに、何も考えてない。

でも、その話をされたことは、されなかったことより、ずっとヨカッタ。

そういう意味からも、

やはり、伝えるべきだったのだという思いだけが残る。

アタシも悔しいが、もう絵を描くことができない彼女は、もっと悔しいに違いない。

仏教徒には輪廻転生という言葉があり、死人は生き返るという思想があるけれども、キリスト教はどうなんだろう。

静かに一日は過ぎ、私は、コニーフランシスを聞きながら、彼女との思い出や、友情のことを思い出す。

ケリーは、天国でも、絵を描き、大声で自作の歌を歌ったり、怒鳴り散らしたり、泣いたり、笑ったりするのだろうか。

仏教には、無常という言葉がある。

それは、人間は、死なないということはできない。

必ず死んでしまうという残酷な現実のことを指す。

そうして、昨年末に他界した、陶芸の先生も、月曜日に天国に召されたケリーも、その無常という言葉の通り、定められた寿命を全うしたのだと思う。

私は、彼女の遺影にもう一度手を合わせて、彼女の冥福を祈り、彼女の思い出話を、ここに記録する。

また、いつでも、彼女に会いたいときに、会えるように。

アナタの分まで、描くよ。ケリー。

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