◆◆◆ 198 ★ 拳ちゃん ◆◆◆

2004.10.4

拳ちゃんは、ネズミ用のトリモチにかかってしまう。

アタシは、ベビーオイルでトリモチを溶解し、三時間かけて、彼を洗わなくてはならなかった。

ところどころカットされ、情けない顔で

『トホホホホ』

としている拳ちゃん。

今度は、オイルまみれで、何度も風呂に入れられてしまう。

ハンサムボーイもやつれ気味。

『君も大変だろうが、アタシの方がもっと大変だったぜ。』

猫よ、アンタがネズミを捕らないから、ネズミ捕りをしかけたんだけど、その辺どう考えているんだよっ。

『子猫だからっ』

とまだ働けないことを訴えるのが得意。

ポーズを取って、気取ってもだめっ。

全く。

この猫ときたら、遊び盛りなもんで、アトリエに連れて行くと、テーブルの上に乗ってしまう。

テーブルの上には、絵の具のパレットが置かれていて、(そうでない日は版画用のインク)

その中にダイブしたこともある。

インクの中にダイブするのは構わない。

腹までインクマミレになった猫を洗うのはアタシなのだ。

インクまみれはいい。しかし、猫は、それを舐めて取ろうとする。

ココが問題だ。

絵の具には超有毒な鉱物などが混じっているのである。

猫がインクまみれになるのは、物凄く危険なのである。

その日以来、彼があとりえにくることはなくなったのだった。

作成中の作品と、インドネシア更紗。

うーん豪華。

アタシの絵より、やっぱホンモノの布の方がイイわねぇ。(→お高いのよ)

この絵は、この後もっと黒い部分を加筆されているが、まだ完成していない。

猫をつついている裸婦というのは、笑える。

オジャラよ。こんなことで笑いを取るのは卑怯だぜ。

水彩画。

ピカソと西洋の衣装版画展というのを見に行った次の日に描いた作品。

ピカ2さんのコラムの挿絵が足りなかったので、それを描きつつ、合い間に、脳に浮かんだ作品を描きとめる。

絵の管理は面倒。

エディションをつけて、ノートに記録する。

そのあと、自宅に持ち帰り、スキャナーでスキャンし、HPに記録。

またアトリエに持ち帰り、水彩画用のファイルに格納。

駄作は、そのまま箱の中にポイ。

こういう絵を大量に描き進み、それは、版画とか、油絵に変わってゆく。

アタシは、モデルがいても、いなくても絵を描く。

どちらでも構わないのである。

そうして、絵を描き続けて、また一日が終わる。

この程度の油彩がサラサラと描けるようになりたいものだぜ。

油絵は筆先が太いということもあり、小さい絵は、このように上手くは描けないのが本音のところである。

そうして、色をつけることにより、全体の濃淡や、絵をどう配置するのかを考える。

この日は、2時間で9枚程度色付けが完了。

うーむ。

この筋の絵は売れないんだけどね。

でもまあ、油絵を買ってくださった方などにおまけに一枚つけています。

自分で飾らない方は、お友達にあげたりするみたいだし、もらった人は必ず飾るみたいなんで、絵にとってもその方がイイような気がします。

古い絵がいつまでもあとりえにあることの方が、画家としてはついていないのです。

アタシは、クリスチャンではなくて仏教徒ですけど、マリア様の絵というのはいつか油彩にするつもりです。

アタシは、この筋の絵だけでも数千枚は見ています。(ヨーロッパの美術館は、この手の絵が物凄く多いからっす。)

まあ、世紀に残る大作ってことにはならないと思いますけど、それでも、こういう絵というのは、自分の中に『イイ気』というのが流れていないと描けない作品であり、表情とか、全体のまとまりなんかに気を遣います。

教会などで、買い上げてくれるところがあるといいんですけどね。

大きい作品は、なかなか引き取ってくれる人がいなくてスタートできないというのが本音のところなのです。

教会などの広いスペースに置く前提であれば、ある程度気合入れて取り組めると思います。

ピカソの絵を見たので、こんな感じに。

紙が小さいので全体が入っていないのが難っすね。

大きい紙に、バンバン描けるようになりたいものです。(金銭的にという意味)

大道芸人のスケッチというのは、人物を描く上で、ホントウに勉強になると思わされます。

人間の動きを誇張してくれる。

その動きに面白さがあるからです。

先日行った画廊で、画廊関係者と、作家さんかなあ。三人ほどでなにやら話していました。

『どんな絵が売れるのか、全く解らない』

その人は、何度も画廊の女将に話していて、女将も、『それは難しい話よねぇ』などと、相槌を打っています。

『どんな本が売れるか全く解らない』

と話してくれた、元出版社の人を思い出しました。

アタシには解ります。

『いい絵は誰だって欲しい』のです。

でも、勘違いしてはいけません。

『いくらでもいいから売ってくれ』

などという買い手は、滅多にいないし、そんな絵も、そんなに多くないってことです。

そんな『夢』みたいな勘違いをしていては、絵はいつまでたっても成長しないのです。

少なくとも、アタシの絵はまだそんな段階ではないってことは理解できてます。

『良い絵』であり、かつ、『買える値段』でなければ、その絵は売れることはありません。

アタシは、左の絵は、自分でも描けるので、ゼッタイに買いません。(爆)

Established 1998 Rica's Bar WEB SITE & Since 2003 Atelier Ojara.
Copyright (C) All Rights Reserved by Rica Ojara.