◆◆◆ 197 ★ 薔薇を描く ◆◆◆

(新着、大量乾燥中)

2004.10.1

アタシは、もう何枚もの薔薇を描いてきた。

『何故薔薇を描くのか?』

と、皆さん思うかもしれない。

モチロン、ユリやヒマワリも描いたことがある。

ガーベラだって描いた。

アタシのヒマワリには、物凄く特徴があるので、もっと、ヒマワリを完成させるべきだと、内心は思ってもいる。

しかし、季節のある花というのは、どうにも飾る時期を選ぶような気がしてならない。

バラの絵であれば、一年中壁にかけて楽しめるのである。

油絵は日本画とは違う。

季節ごとに5日程度出しては360日箱の中という芸術品とは違うということだ。

油絵は365日、100年は飾られる。(大切にすれば、アタシが使っている画材でも500年位はイケルと思っている。)

それ位強靭な商品なのである。

最近は、白いバラを描きたいと思って、それなりにチャレンジしているのだが、仕上げの段になり、絵が淋しい気がしてならず、ピンクやオレンジを加えてしまう。

まだ、絵が『なっていない』のだ。

心が弱いぜ。

どの絵も同じような絵だが、それを並べると優劣というのはハッキリとある。

『葉の色が、汚い』

『構図が悪い』

『絵の引き締めが弱い』

『背景が単調』

『絵の類似』

『絵のボテボテ感』

『ツヤツヤしているかどうか』

絵を描く、並べる、絵を見る、至らないところに気づく、至らないところを直してみる。技術の稚拙さに気づく、というのの繰り返しということである。

大きい作品には、布地の文様も入れることにする。無地だと、画面がつまらないからである。

花だけでも豪華なのだが、さらに豪華さアップでお金持ちの皆様大満足だろう。(謎爆)

豪華な絵というのはイイ。

それでいて、品が無い絵というは多いが、全体が白なので、和風のリビングなんかにもおけると思う。(→自分的な感想では・・・ということで)

細部を描く時には、葉がイキイキとしているかとか、花がウレシそうかとか考えながら描く。

白いバラは潔い。

そうして、花瓶も花も白だとやっぱり淋しいので、そういうときには、布地に文様を描く。

アジアの文様というのは、心が和む。

そうして、絵の鍛錬にもなる。

最初は少し時間がかかっていたので、絵も値上げしようかと考えたのだが、最近は、あっという間に作れるようになり、絵の制作時間の合計は、今までとたいして変化がないので、とりあえず据え置きでいいかというキモチになる。(絵を描く技術が上がってきていて、去年より短い時間で作れるようになってきたので、追加の作業があっても、あまり時間が変わらないということっす。)

値上げして一枚も売れないのなら、今の値段で全部売れたほうが儲かるからである。

こちらの花瓶には、この前『タイ』で買ってきた花の文様を入れようと思っている。

絵がもっと高級になる予定。

バラの花は、失敗した絵の使いまわしということもあり、それを誤魔化すという目的もあり、ボテボテ感がある。

このボテボテ感は、『絵の具をケチッていない』ので、高そうな絵と勘違いする人続出。

作品は、結果が全てなので、完成した状態だけに価値がある。

『失敗した絵』をいつまでも持っていると、あとりえが狭いので、邪魔なのだ。

売れる絵に描きなおされて、お客様の所にいける方がヨッポド絵の為なのである。

飾られない絵は、存在しないのと同じである。

昔の稚拙な絵にこだわっているよりも、自分の技術を向上させるために、別な絵に描きかえるほうが、画家にしてみたって、もっと有意義なのである。(絵を描くごとに技術があがるという意味)

アータ、絵を上書きするのだって、技術がいるってことなのよ。たははは。どんな技術なんだよっ。

そうして、どの絵も同じような絵なのに、見る人は、『アタシはこのバラが一番好き』

などと品定めをし、『お気に入りを選定』するという作業に入る。

(買わないくせにだぜっ。)

来て頂いた方ごとに、その『一番好きな薔薇』というのが、てんでバラバラで、人それぞれなのに驚かされる。

選ぶ方にも個性があるし、飾るお部屋の色なんかも考えて、『これが一押し』

ということになるらしい。

絵を見定めるという作業は、絵をよく見てくださっていることに他ならず、また、感想を聞けるのは、アタシにとってもあり難い。

そうして、その『ご感想』やら、『売れた絵たちとの比較』というのが、新しいの作品の中に入ってきて、絵が変化してゆくのである。

左のは、6月に描いた作品。

急いで描いたので、力が足りない。

色も単調だったと思う。

最近、絵を描くのに急がなくなってきた。

絵の具のことが、よく理解できてきた結果なのだと思う。

この時は、個展前で絵を完成させるのに必死だった。しかし、そういう絵というのは、細部に心が行き届いていない。

もう少し、加筆して、なんとかしたい(売れる絵に仕立て直したい)のよねぇ。

前回の個展では、薔薇の絵は結局、一枚も売れなかった。

それでも、そのあと、その中の絵が、ミツコシ本店で売れたり、他の方が買ってくださったりした。

出来のイイ絵は、物凄く短い時間に、私の手を離れてゆくのである。

(本音としては、二年くらい乾燥させたいのよね。

若い絵は、ひび割れる可能性があって、一年くらいたってからひび割れてくることもあるからねぇ。

であるからして、左の絵なんかもそうなのだが、画面をもう少し引き締めて、間延びした背景にテキスタイルなどを入れて、少しリニューアルしようと思う。今何処にあるか忘れ。

不動産屋だろう。うん。みたいな。

やっぱ、前回の個展は、アタシの技術を考えると、時期が早すぎたように思う。

それでも、個展を開いて、来た方の意見を聞けたことで、新しい作品がぐっとよくなってきた。

勇気を出して個展を開いてホントウによかったと思う。

この絵も、構図はカンペキだし、色もいいんだけどねえ。売れる気がしないのよね。

はぁ。

絵画制作って奥が深いぜ。

後ろのオレンジが、赤と重なりすぎかなあ。

花を白くするかなあ。

はぁ。

なかなか考えがまとまらず、この絵はこれでもイイような気がして、手つかづ。

この絵の良さが解る人に早く出会いたいものである。(→この考えは間違い。このような傲慢な考えでは、前に進めない。)

もとい、『何故売れる気がしないのか』をよーく考えて、売れる絵に仕立てなおせる技術というのがプロなのよ。おほほほほ。

まだまだだぜっ。

(この絵は、失敗作品の上書きではなくて、とても丁寧に描かれています。)

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