◆◆◆ 168 ★ 提灯が届く ◆◆◆
2004.8.28
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夏になる前に、町内会にお願いしていた提灯が完成する。 こちらは、私が絵を描いて、提灯に仕立ててもらう。 普通は、絵馬屋さんが描いてくれるのだ。 一枚400円(ご町内特別価格)とかで描いてくれるらしい。 絵の値段というのは、全く解らない。 でもまあ、この絵はなあ。江戸の風情はあるけど、金出して欲しいという絵とは違う。(アタシのもだけど) |
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あとは、天板に黒で色を塗って汚れが目立たなくしたり、ビニールをかけて、あとりえにかけたり、手を加えようと思う。 この提灯があると、千住はもう、『お祭り』のムードになる。 |
黒田清輝の智・感・情(右から) (大日本絵画 裸婦より) |
昨日、六本木ヒルズで、D通のOさんと飲んだとき、『オジャラさん、バンコク博覧会展行った?』などという話になり、まだ行っていないと話すと、『ものすごくヨカッタから、時間あったら行くとイイヨ』と話してくれた。 クリエイティブな方に物凄くヨカッタなどと評価される展覧会は是非見てみたい。 しかも、今日は、海山十題という横山大観の作品展を上野に見に行く約束をしている。 そんなもんで、約束の時間の前に、バンコク博覧会も見に行くことにする。 うっひょー。激混み。1300円もしやがるぜ。 展示の内容は、日本の工芸品の最高級品がゾロゾロと並び『日本芸術は、工芸品の中に凝縮されている』と改めて関心する。 そうして、展覧会の最後の方に、黒田清輝の智・感・情(右から)という絵を発見する。 マジっすか? |
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この絵は、私が持っている、裸婦という画集に収録されている作品で、『なんて美しい絵なんだろう』とずっと思っていた。 実物は、等身大より少し大きめで、迫力があった。 金箔で下塗りされたカンバスは、薄い茶色(もしかしたら変色しているのかもしれない)で背景を描かれ、その中に、薄い肌色の絵の具で、人体が浮き上がってくる。 輪郭線は細い赤のラインで描画され、所々に箔を使って背景と人体とを際立たせ画面を引き締めている。 なんてラッキーなんだろう。 予期していなかっただけに、かなりのお得感。 いつかは見てみたいと思っていた作品である。 約束の時間まであと30分程あったので、他の展示は見ずに、この絵を見て過ごすことにする。 『金を出してまで欲しい絵』というのは、こういう域の作品ということだ。それ以外は、価値ゼロなのよ。汗。 絵の市場というのを勉強すると、構造そのものは、そんなに難しくないことは理解できる。 ただ、自分がその域まで到達できるのかどうかはまだ解らない。 その域まで到達できた人だけが画家になれるのである。 |
作田富幸作 from Leonardo |
この日は、このあと海山十題に流れ、東京の不忍画廊で、先生の作品を見る。
前からほしかった、『From Leonardo』という、モナリザをモチーフにしたメゾチントを、ドキドキしながらゲットする。 ハガキ位の小さい作品であるが、物凄い高い技術が凝縮されているのである。 センセイの作品も、一年間で随分と値上がりしてしまい(それでもまだ安いけど)、アタシ的には驚きの連続である。将来値上がり確実なんで、やっぱ、手に入れておかないとというキモチで一杯になる。 そうして、東京ステーションギャラリーで真鍋博のイラストレーションの原画というのを見て一日が終わる。 |
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銅版画のお教室の竜さんは、こちらをゲット。
この絵は、『嫉妬に狂った女性が崩れ落ちてゆくところ』なのだそうです。 竜さんは、そのストーリー知らないで買ってましたけど。・・・・?? この作品は、沢山売れたとセンセイも話されていました。 タマちゃんは、別なのをゲットして、ハッピーな三人。今回は、結構掘り出し物あったと思う。 店内にあるストックの版画を全て広げて、刷り上りを慎重に吟味するというのがまた、マニアっぽい。 今回は、イロイロなメゾチントの作品が来ていましたけど、本格派ベルソーを使ったセンセイの作品は、やっぱ、格が違うという感じですね。 他の方は、アクアチントメゾとか、ルーレットメゾでした。意味解らない方ゴメンナサイ。 まいいか。技法というのあくまでも作品を作る過程であり、結果が気に入ればなんでも構わないのである。でもまあ、同じ値段だったら、技術が高い作品の方が、将来価値が高くなる可能性があるということだ。 |
お教室のタマちゃんの作品 |
タマちゃんは、アタシの特性インクで刷り上げたイスの作品が好評で、注文が入ったのだそう。 そういえば、来月《 文房堂アートスクール展 》 8月30日(月)〜9月11日(土) 日休 10:00〜18:30 最終日15:00まで があります。オジャラのアテネも、出品します。 たぶん、アタシの作品の展示は、31日に搬入するので5日-11日くらいだと思います。 作田先生も何か出されると思います。 |
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エディション付けされたイラスト。
真鍋博氏の本の原画というのを見て驚いた。随分と大量に保管されていたものである。 彼の日記や手帳も公開されていたが、几帳面な人のようで、朝の散歩から、歯磨きの時間まで書いてある。 そんなもんで、イラストの原画なんかも、よく整理されていたのかもしれない。 本の表紙イラストの原画というのは、販売には適さない。 もちろん、売れなくはないのだが、印刷物にする前提の作品で、芸術的価値とは違う場所にあるという意味である。 アタシの作品ときたら、原画はあるけど、色はパソコンでつけているので、実際の作品は見ることが出来ないという感じ。インクジェットで印刷したって、5年も持ちはしない。 バンコク博覧会でもみたけど、蒔絵や小さい家具、壷などに凝縮されたアートというのは、日頃使えて、更に美しい上に、大切にすれば、何年も持つという所がスゴイ。 油絵というのは、物凄い耐久性があるし、本の表紙などに使った後でも、作品として売買したり展示したりできるんで、やっぱ、そちら方面に力を注ぎたいと、強く思えてくる。 |
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