◆◆◆ 165 ★ ペンで描く ◆◆◆

2004.8.20

油絵の乾き具合をチェックする。

げげっ。まだ乾いてないぜ。

そんなもんで、またペンで描く。

しばらくすると、ペン画を干す場所がなくなってしまい、キリのいいところで、一旦乾燥に入る。

ペン画は、最初に部屋中のいたるところに置かれて乾燥される。そうして、ある程度乾かした後、洗濯ばさみに吊るし、半日程乾かすことにしている。

その間、頂いた『イラストレーション2003』というのを何度も開いたり閉じたりしながら、来年のカレンダーをどうするのか、まだ考えていた。

それは、CDの袋詰め作業のときも、膝当てのきんちゃく作りの時も、ずっと考えていたのに、まだ考えがまとまらないのである。

正確には、イラストの本を見ると、情報量が多くなりすぎて、ノウミソの整理がつかなくなるということのようだった。

もっと正確に言うと、あまりの差がありすぎて、自分の作品を作るのが嫌になってくるという感じだろう。

部屋中に散らばった自分のペン画というのを見る。

『やっぱ、人物しかない。』

プロのイラストレーターの人が描くような(人間らしい)絵を、アタシが描けるようになるわけではない。

アタシが、いくら、その本を見て、優れた作品を作ろうと考えて練習したりしたって、きっと同じ作品は作れない。一流の作品とはそれ程レベルが違うのである。

書道の先生が、『同じ文字を書いても、誰一人同じに書ける人はいない』と話されていた。

文字であってもそうなのだ。絵であれば、その差というのがもっと開く。

イラストの本の中の絵というのは、類似している作品も沢山ある。それは驚くほどの類似であり、どちらがニワトリで、どちらかタマゴなのかも全く解らない。

イイ絵でありながら、個性があるというのは、驚くべき話なのである。

そう考えると山本容子の作品というのはスゴイと再認識させられる。この前レコード店の店頭で、彼女の絵がジャケットになっているのを見つけた。

何万枚ものCDが売られていても、彼女の絵は、『ヤマモトヨーコでございます』というオーラを放ち、見間違えることは無い。

どんな夢であっても、ゴールを勘違いしてはいけない。こういうときに、マーケティングを勉強しているのが役に立つ。マーケターは、ゴールを間違えない。

時々、自分の進んでいる方向をチェックして、軌道修正ができる。(人によるけどさ)

目指すべき道は多くない。

『アタシはアタシの絵』を描かなければならない。

今、本の中にある絵を描いた人たちも、自分の世界を作り上げることに時間をかけてきたはずなのである。

そういう作品を作る人は、どの作品もイイ。

ペンやボールペン、墨による作品作りは、版画の原画にもなるので、一石二鳥なのである。

美しい線は、油絵にも顔を出してくる。

描けば描く程、その線というのは、私の線になってゆくということである。

イラストレーションの本の巻末には、日本にエージェントのある外国のイラストレーターも紹介されている。

さすがに、日本にまで手を伸ばしている力のある海外の人の絵というのは違う。

アタシは、この本の中で、スティン パーソンというイラストレーターの絵が一番好き。(というか、この人だけが好き。)

シンプルなラインに、色を1色だけ使っている。

色は、色の紙の一部を切り取ってレース状の模様をつけてペンにコラージュしてあるという風な感じ。CGでも作れなくはないが、時間がかかりすぎるので、きっと他の方法で作っていると類推する。

文字の色は別な色で書かれていて、画面全体が引き締まる。

『ペンの黒に色二色』たったこれだけの世界なのに、なんて美しいペン画なんだろう。(彼女の絵は載せられません。ゴメンね。)

しかも、絵に力がある。

一体どれくらい描けば、こんな絵を描けるようになるんだろう?

それでも、絵の省略や濃淡のつけ方などは参考になるので、何枚もペン画を繰り返し作ってゆく。

これは、パソコンで色をつけた感じ。

頂いたコート紙に描いているので、水彩絵の具で色はつけられない。

コピックなるマンガ用の画材はまだ持っていないので、色をつけるのはクレヨンかパソコンのどちらかということになる。コピック買うかなあ。赤青黄くらい買えば、結構使えるかもなあ。

油絵の具でも大丈夫かなあ。

紙にシミができるよなあ。

アクリル絵の具はどうかなあ。

紙が伸びてベロベロになるだろう。

アタシも、結構イロイロとやってみてはいるようだ。

暇人めっ。

色が入ると、それはそれでまた、全く違う絵になってゆく。

もう少し、黒の使い方を極めたいと思い、筆も取り出してみる。

アタシの絵は、今のところ、影がないというのが最大の特徴なのである。

この絵はもっと大きいのだが、スキャナーが小さいので取り込むときに多くは切れてしまう。

A3スキャナーを買うかどうか迷っているのだが、もっと大きいのにしようかなと思ったりもする。

アタシの絵は大きい。

ポスターなどの作品(まだ依頼もらったことないけど)は、A3よりも大きい紙に描いて縮小する方がキレイなのだ。

うーむ。

金的にムリだよなあ。

どっちにしたって、A3スキャナーというのは中途半端な気がするぜ。

もうちょっとイイ作品もあるのだが、それは、これより更に大きく描いてしまったために、スキャンを断念する。

ま、練習なんで、ボチボチアップってことで。

落書きは全部はアップできないんで、よく描けたやつだけ、画集か俳句集にしようかなという予定です。

その前に、個展のときに、チャリティーで売ってしまうかもしれません。練習品ってことで。

油絵なんかは、カメラで十分なんだけど、書とか、ペン画は、ゼッタイにスキャナーの方が、実物に近い形で取り込めるのである。

はぁ。カレンダーの話からスキャナーの話になっちゃったぜ。

分裂気味のアタシ。

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