◆◆◆ 082 ★ 画集を持ち込んだりする ◆◆◆

2004.2.22

自宅から、大量の画集などを、アトリエに持ち込む。

ルノアールのこの画集(左写真の下のほうにある本)は、実に古い品で、そうして、イロイロな秘密が描かれている。

息子が、ルノアールと共に絵画制作の手伝いをしたときの話。どんな色や、どんな筆や、どんなオイルを使って描いていたのかという話。

ルノアールの絵が一体いくらだったのかという話。

梅原龍三郎が、ルノアールのアトリエを訪ねたときの手記。

貴重な画集である。

そうして、『ルノアールのから学ぶ絵画テクニック』などという、『どんな色を使って、どうやって描いたか』を具体的に示した2500円もした本などよりも、作品をじっと見つめるほうが、何倍も、脳に刺激が送られてくるような気がする。

この『絵画の解説』筋の本は、文章がメチャクチャ下手なのが特徴で、翻訳本ともなると、何が書かれているのか、3回読んでも理解できないことも多い。

そんなんで、文字など読むことは滅多に無い。

この、難解な文章も、きっと、美術界全体への認知を妨げているのだと思う。

小品に、少し加筆をして、それぞれ、全体を引き締める作業をする。

ほんの少し塗り重ねるだけで、似て非なる絵になってゆくので驚く。

左が、最初の段階で、下の絵は、少し、メリハリをつけたり、ぼんやりしていた花の色を変えたりした品。

自分でも、全く違う絵に見えて、どのページにあるのか、探すのが大変だったくらいである。

そうして、セザンヌも、ルノアールも、梅原もお気に入りの花瓶というのを持っていたのに、アタシは、タダの一個も持っていないというのが、何とも寂しい思いにさせられる。

一個位、作品制作用に買うかなぁ。

ブルーの背景に、透明なオレンジを重ねると、ぐっと花が浮き上がってくる。

透明感も増すし、バラそのものが、生き生きとする。

もうそろそろ、人物にも進みたいと思いながら、30号の作品は、なかなか再スタートできない。

大きすぎて、描く場所を作らなければならないというのと、作品を一時乾かすために、別な場所に移動されて、まだ戻していないというのが原因である。

もう一個、乾燥棚を作らなければと思いながら、暖かくなるのを待つ。

当初から、描く量がハンパでないので、乾燥棚は多めに作ってはあったのだが、それでも足りなくなってしまうというのには、全く問題があるぜ。

そうして、油絵というのは、一体、いつ乾くんだろうと思わないわけにはゆかない。

人生最初の大作(といっても30号だけど)『タバコを吸う女』は、モデルさんに多少似てきたような気がする。

彼女の美しさといったら、全く。

手の比率や、足の長さ、ソファの色をちょっと変えてみる。最初のは、あまりにも暗すぎるし、アタシの色という気がしなかったからである。

いつもは、机の上で描いているのだが、今回は、イーゼルを取り出して、そこで描く。

場所が狭いので、全体的なプロポーションがチェックできずにいて、そんでもって、比率が上の方が長く、下が、ドン詰まりみたいな絵になってしまったのが残念だ。

版画用品が邪魔だよなあ。たはははは。

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