◆◆◆ 053 ★ リノ版を作る ◆◆◆

2003.12.16

リノニウム版というのは、厚さ5ミリ程度のゴムの板のことである。

ゴムの板は、木よりも、多少柔らかい。

何よりも、あまり深く彫らなくていいのがいい。

理由は、ローラーでインクつけをするからである。

そんなこんなで、木版の深い彫りに疲れたアタシは、こっちで、カレンダーの絵を作ることにする。

ゴムの板の上に、直接、油性マジックで描画。

リノニウム版は、木版と同じで、凸版と呼ばれ、

凸の上の部分にインクを乗せて印刷する方法である。

であるからして、彫った部分は白く、残した部分は黒くなる。(銅版画とは逆になるのだ。)

描画した部分を白くするか、黒くするか悩むが、黒い部分を彫るほうが、彫る面積が少なくて楽なので、楽な方に流れてしまう。

そうだよなあ。

オジャラは、力が無いから、少し彫っていると、すぐに疲れてしまうのである。

そんな理由で、もっと楽そうに作れると思われた銅版画に流れたのよねえ。

リノの合間に、新しい画集の表紙を作ろうと考える。

お蔭様で、銅版画は、もうすぐ100版になる。

1999年から、本格的に習い始めた銅版画だが、

その深みにドップリと漬かってしまったオジャラ。

誰が見ても、木版の方に才能があるが、こうなると、趣味と呼ばれても構わない。

この前、ヨシトミさんの個展の上で開催されていた、プリティなお姉さまの作品には、クギが使われていた。

アタシも、銅板に、クギで描画してみようと思い立つ。

マジに刷れるのかなあ。このまま、この写真使ってもいいよなあ。なんかお洒落。

銅版画の画集だもん。表紙は銅板もアリだろう。うん。

ということで、表紙は、このまま行こうかと思うアタシ。(この版は、刷りに自信ないというのが、その理由。)

新しいカンバスに描かれたヒマワリ。

F6号。

花の絵というのは、何枚も描くと、同じ絵でも、技術が上がってゆくのだと思わされる。

小さい作品は、早く仕上がるので嬉しい。

それにしたって、キッカリ二時間で仕上がるというのは、どういう事なんだろう。体内時計かなにかなのか?

仕上げの描画というのは、実は、とても力がつくのだ。小さい作品だったら、何枚も繰り返して描いて、大きい作品作りに備えてゆくということだろうと思う。

大きい作品は、スペースの問題もあり、まだ描ける気がしない。アトリエの、レイアウトを、もう少し変更しないとなあ。

そうして、新作が続々と完成し、絵を干す場所に困り始めるオジャラなのであった。

リノ版の試刷り。

インクは、ウルトラマリンと赤。

ちと、濃すぎる気がするなあ。

メディウムを混ぜるか、白を混ぜるか悩むところである。

そうして、カレンダーに直接刷るか、半紙に刷って、エディションを入れて、それをカレンダーに貼り付けるのか悩むオジャラ。

そうなのよねえ。

しかも、左上の葉は、黒く残すべきだったぜ。もう、直せない。

まあいい。久しぶりのリノニウム版なのだ。

そんなにカンタンに上手くいくはずがない。

最近、このヒマワリに凝っていて、カレンダーもこの絵になってしまう。この絵のカレンダー、もらってウレシイかよ?おいっ。

そうだよなあ。やっぱ、女の絵にするべきだったよなあ。

そうして、カレンダーに印刷してしまうと、乾かす場所が大量に必要になることに気付いて、慌てて対策を考えるのであった。

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