◆◆◆ 052 ★ 油絵を描く - 4 ◆◆◆
2003.12.13
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カレンダー用のリノニウム版でも作ろうと思ったが、一枚だけ、油絵を描こうなどと考えたのがいけなかった。
この前失敗した、リトグラフのモチーフのチューリップを、油絵にしてみる。 顔を描こうかどうか悩んだが、今回は、描かずにおく。 他の花に顔がないので、これだけ顔を描くと、並んだときに、違和感があるかもしれないと考えたからである。 流石に、絵を描くのに慣れてきた。 F4 絵の具を大量に出してしまったオジャラは、次の絵も描かねばならなかった。 |
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今回は、葉っぱも、ちょっと工夫してみる。 なかなか、丸い花のモチーフも、個性を出せるようになりつつある。 同じ絵であっても、いくつも描くのは重要なのだ。 昨日、大工さんと忘年会をやったのだが、そのときに、『絵を早く描く必要があるのか?』と質問された。 確かに、二時間で一枚描きあげるのは、少し早いかもしれない。 昨日は、ちゃんと答えられなかったよなあ。 答えを考えながら、バラの花は、完成してしまった。 F4 |
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丸いモチーフの葉っぱに気をよくしたアタシは、今度は、丸い花びらのヒマワリを描いてみることにする。
おおっ。 イイ感じだぜ。 絵には、一段と、アタシの個性が加えられたのである。 お部屋に飾っても、ちょっと、元気が出る作品になった。赤や、黄色の原色も、白い花瓶も、潔い。 この絵なら売れるだろう。 売れる絵と売れない絵というのは、差があるものなのだ。 F4 |
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余った絵の具で、最後の一枚を描く。
余り絵の具の作品は、毎回色が汚いぜ。 写真はイマイチだが、実物はもっとイイ感じ。 オジャラは、まだ答えを考えていた。 『早く絵を描ける事は、大事だと思う。』 それは、間違いが無い。 『何故か』という問いに対する答えは、絵は、描けば描くほど、上手くなるからである。そのためには、描き始めた絵を、完成させなければならない。 油絵の具は、乾くのが遅い。アタシの作品は厚塗りなので、一ヶ月以上は、乾かさなければならない。 もし、一日で仕上げなかったとしたら、次の加筆ができるまで、一ヶ月待って、筆を加えるということになる。 そうして、また、一ヶ月待つのである。 多くの人は、時間をかけて作られた作品に価値があると勘違いしているかもしれない。 確かに、細密画のように、時間をかけて、完成度を高めるタイプの作品もある。 でも、アタシの作品は、どちらかといえば、もっと、グッとデフォルメされた、単調な線と、ビビットな色に特徴があるのだ。 こんな小品に、何日もかけていられない。 描けば描くほど、絵は、良くなってきているのだから、このペースで、どんどん描き続けるぜ。 一日四枚は、さすがに、肩凝るよなあ。たはは。 |
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玄関でも乾燥中。
額縁屋のオヤジからもらった、ボロいイーゼルは、オジャラが手を入れて、二段にカンバスを置けるように改造される。 そうして、この有様。 玄関は、お洒落に、ショップ展開しようと考えていたのは、ほんの僅か。今となっては、お手を触れないで下さい状態に。(服に付くと落ちないからっす。) いやあ。乾燥場所、マジ足りないっす。 イーゼルの裏側にも、カンバスを掛けられないか考えたり、他に、乾かせる場所がないか探したりする毎日。そういう意味では、早く描けすぎるのは、問題である。もうちょっと金があれば、もっと大きい物件にしたかったけどなあ。 絵がまだ売れてもいないのに、それは贅沢というもんだろう。たはははは。いつ売れるんだろう? それが、一番の謎よねえ。 |
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筆洗い液と、ペインティングオイル。 リトグラフのセンセイが、ウチに来て下さった時に、玄関の油絵を見て、オイルについて質問された。 『ポピーオイルだけを使って、ゆっくりと乾かしています』と答えると、センセイは、満足そうだった。 ゴッホも、ルノアールも、ポピーオイルを使っていたから、アタシもそうしている。 画面がツヤツヤになり、油絵らしい作品が完成するのだ。 油絵なのに、アクリル絵の具や即効性オイルを使って、早く乾かして、加筆しようというのが、そもそも間違っていると思う。(そういう人は多いらしい。) ゴッホも、モディリアーニも、絵を描くのが物凄く早かったのだという。 油絵でも、一日で完成させてしまうらしい。 佐伯祐三は、毎日、二十号のカンバスを二枚持って、パリの街にスケッチに行ったらしい。20号、2枚を、毎日完成させていたということである。 |
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先達で、そういう作品を作っていた画家がいたということは、短時間で油絵を描くということは、物理的に、出来なくは無いということだ。 彼等に出来て、アタシにできないのだとすれば、それは、まだ、絵の具の塗りの知識が十分でない 及び、線を短時間で捉えることが出来ない = 勉強不足ということに他ならない。 短時間で、油絵を完成させることが、どういうことなのかは、今は解る。 絵が上手くなってくると、下絵に失敗しなくなるのである。薄い黄色でアタリをつけて、一気に塗りまでいってしまうのだ。 一度引いた線を修正しようとしなければ、油絵は短時間で完成することも可能になってくる。 絵が下手だった頃は、自分の目指す構図にもってゆくまで、修正に、修正を重ねて、油絵を完成させていた。だから、時間がかかっていたのだが、今は、目指す構図は、一発で決められる程、自由に線が描ける様になっているのである。 習字は、思いのほか、筆使いの鍛錬になっている。 色彩感覚は、もともと持っているのだから、あとは、沢山描く作業を繰り返してゆけば、絵はもう少しマシになるはずなのだ。 |
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