◆◆◆ 039★雑誌表紙の仕事なぞ ◆◆◆

2003.10.26

I.M.press社の社長さんから、表紙の仕事を依頼されたのは、去年の12月のことであった。

アタシが、お贈りした『ぶうげんびりあ&素描』を見て、この絵を表紙にと考えたらしい。

うーむ。

よく、あの、下手な絵を見て、雑誌の表紙に使おうと思ったよなあ。

彼女は、自分も文を書くこともあり、アタシのエッセイなどをよく読んでくださる。

息抜きにいいらしい。

息抜きかぁ。やっぱ、路線は、癒し系なのかもなあ。

そんで、来年どうするのかという話になるわけだ。

去年は、つたないイラストレーションだったが、今年は、油絵でどうかとご提案したのだが、この提案はボツになった。

あまり出来がよくナカッタもんなあ。

油絵はまあいいとして、筆ペンで加筆したうにょうにょした線が、なってない。抽象画は来年の課題だからな。もう少しマシな作品を作れるように精進しよう。

そうして、引き続き、イラストで、表紙の仕事は継続されることになる。

この仕事がないと、会社が赤字に転落するので、アタシとしても、どうしても落とせない仕事であった。ありがたい。

表紙の打ち合わせの日、来年のイラストを数枚持参して、アイエムプレス社に行く。

『去年は、バリ島在住で、通信環境悪かったんで、一年分まとめて納品させていただいたんですけど、今年も、それでよろしいでしょうか?』

と、アタシは、恐る恐る尋ねてみる。

先方も、早めに表紙が決まっていると楽なのか、快諾されて、打ち合わせは終了した。

イラストレーターが、一年分の表紙をまとめて描いて納品することは珍しいらしい。

この話をするとその筋の人は、みんな驚くから、きっとそうなのだろう。

来年の表紙案をプレゼンしたときに、先方のデザイナーさんが、

『ずいぶん画風が変わったんですねー』と感想を述べたので、

『イラスト描くのは一年ぶりですし、絵も上手くなっていますから。』

などと答えると、皆さん大きく頷いて、アタシは言葉を続ける。

『一年の間に、画風が大きく変わってしまうということもありますんで、また、まとめて納品させていただけると、アタシも有難いんですけど。一年間、好きな絵しか描いてないもんで、ビジネスモードに頭が戻るのに時間がかかるみたいで、今、戻している最中ですが、戻ったときに、一気に描く方が、効率もいいですし・・・・』

などと、ワケの解らない個人的な理由で、一年分の仕事を不動のモノとしてしまうオジャラ。画期的な商法である。

でもまあ、アタシは、イラストレーターじゃないし。(最近、自分の事を、駆け出しの画家と呼ぶようにしている)イラストの仕事は、アタシには、バイトと呼ばれている。

毎月悩んで作品をやっと一個作っていたのでは、自分の作品も作れないし、他の仕事が受けられないもんなあ。

といいながら、今年この仕事が終わってしまうと、もう次の仕事がないオジャラ。不安。

来年一年プーなのかぁ。駆け出しの画家なのだから、まあ、当然だろう。駆け出しの画家は貧乏と決まっている。

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