◆◆◆ 029★抽象画に挑戦 ◆◆◆

2003.9.18

以前、マツヤニを買った話をした。

マツヤニは、乳鉢などで、細かい粉に砕き、

布の中に入れ、版の上に均等に振りかける。

これを、熱して、マツヤニを銅板の上で溶かして腐食液で腐食すると、マックロな面ができる。

この技法のことをアクアチントと呼ぶ。

銅版画を売っているところ(画廊や、ネットオークション)では、版画の技法なども説明してあることが多く、『アクアチント』と書いてあれば、マツヤニ粉を利用して、黒い部分を作った作品ということになる。

完成すると、このように、黒い面になる。

版画というのは、白と黒で構成されている芸術なので、コントラストは重要だ。

遠めでもヨシ、近くにヂッと近寄って見るのもよしという作品はそう多くない。

版画展などを見に行くと、(巨大な銅板で作らなければいけない規定があるのだが、)もう、会場中が真っ黒。(本当)

技法に懲りすぎているのだが、どの作品も同じようで飽きてくる。

余白や、空間を残すというのは、一番難しいと感じさせられる。

9.19

さらば、古いグランドよ。

6時間かけて腐食した、抽象画の版は、失敗に終わる。次の版も、失敗する。

原因は、グランド。

間違いないと確信したアタシは、バリ島から持ち帰った、粗悪な(というか、気候が過酷なのと、炎天下、船で持ち帰って更に劣化が進んだと思われる)グランドを捨てる決意をする。

シャルボネール社のグランドは、ゴルフボール位で、確か、1500円とかしたよなあ。もっと高かったかもなあ。

ベンジンの中に浸して、1日とか、2日とか、ゆっくり溶かす。そうして、醤油ようになったら、それを銅板の上に広げて利用する。

おおっ。箱に何か書いてある。(6ヶ国語ぐらいある)

何々?手で触らずに、グローブを使え?

もう遅いぜ。

というように、版画の道具は、有毒なことが多い。

9.20

こちらは、銅版画のお教室で、シュガーチントというの技法を教えていただいたときの作品。

銅版画には、イロイロな技法がある。

それは、まるで、お料理のようなのだ。

基本の方法があり、その他、秘伝のタレとか、下ごしらえ、仕込みなどに手をかけると、もっと、作品が引き立ってくる。

手を抜くと失敗する。

そうして、行き着く先は、創作料理。

今まで、誰もやったことのないモノを取り入れて、作品を作り、専門の人を驚かせる。そういう流れになるらしい。アタシもね、ボチボチ、イロイロな品物を使い始めているのよ。うふふ。

おおっ。カワイイ。

この版画は、初めて、抽象画に挑戦してみようと思って作った作品。

ジョアン・ミロの画集をパラパラとめくっていて、アタシも、この程度なら描けるかもと思い立ち、もう、止められなくなる。

こちらが、失敗した初回の作品。

線が、キレギレで、ぼんやりとしているのを、手でガリガリと太くして、左のような感じにする。

少し、黒い部分も作ろうかなぁ。

この作品は、赤いインクで刷ろうと決めている。

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