◆◆◆ メゾチント版画の刷り ◆◆◆

唯一のメゾチント版画が売れ、しかも、色違いで注文が入ったため、

アタシは、黒インクを買わなければらならなかった。

2002.7記

アタシ『センセイっ。メゾ用の黒インクを買いたいんですけど、何にしたらいいっすか?』

センセイ『うーん。メゾ用ねぇ。』

アタシ『I女史が使っていた奴です。』

センセ『それなら、F66じゃないのかなあ。インクは、黒でもイロイロあるからねぇ。』

そうして、2階の版画コーナーに直行し、インクを物色するアタシ。

これがF66かぁ。

店頭にあるインクの説明書きによると、『何にでも使える万能』などと書いてある。

おおっ。メンソレータムのようなインクなのかぁ。

チューブのは売り切れていたので、缶を買う。

使い心地はチューブの方が圧倒的にイイのだが、

チューブは、割高である。

このインクは、200mlで2800円。

版画が二枚売れれば回収できる額である。(普通の人は一枚で回収可能)

刷れる枚数は小さい版で1000枚くらいいけるはずなので、あとは儲けってことになる。

版画商売ってボロイわぁ。

これが初回の刷り。

ここで、センセイに相談する。

オジャラ『以前、こちらで刷らせていただいた作品は、もっと、バチッと黒い面が作れていたんですけど、なんか、刷りあがりが悪いんです。ぼやけるというか・・・。』

センセイ『そうですねぇ。拭き取りすぎなんでしょうかねぇ。』

などといい、もう一枚刷ってみる。

一回プレス機を回したときに、センセイが、

『メゾのときには、ダブルでプレスします。もう一回』

ふぅ。危ないところだった。

左は一回プレスの作品。

下の写真は、ダブルでプレス。

おおっ。

バチっと出来ている。

オジャラ『センセイっ、このグレーの部分をもう少し白く刷りたいんですけど』

センセイ『その場合、オイルをつけて、ピカピカになるまで、版を作らないとねぇ。だいたい、メゾチントっていうのは、こんな感じなんっすけどね。』

オジャラ『刷りのテクでここだけ白くっていうのは、邪道なんっすか?』

センセイ『版画ですからねぇ・・・』

ということで、メゾチント版画の謎も解け、バリバリと家で刷ろうと思うアタシ。

この作品、あんまり好きじゃないんだけどね。

でも、他の人には好評なのよね。

謎だわぁ。

自分が気に入った作品が、ウケるとは限らないというかね。ま、いいか。