◆◆◆ 綿棒と絹糸のミイラ ◆◆◆

個展が終了して、銅版画モードに。

最終日はヒマヒマだったので、次の日に向けて、赤いインクを練り始めるアタシ・・・。

2002.7記

腐食が終了した後の銅版。

綿棒を、絹糸で固定・銅の面に圧着する。

銅版が曲がっていたのか、圧着イマイチの状態。

うーむ。どんな風に腐食されているのか楽しみ。

裏面はこんな感じ。

今日は、家にカッティングシートを忘れてしまい、仕方なく、そのまま腐食。こちらの面も版になっているはず。

版はこんな感じ。

刷ってみます。

おおっ。端の部分は、綿棒のシルエットがくっきり。

中央部分は空気が入ったり、糸から出た気泡がまとまったりして、ビミョーなマチエール。

昨日ボチボチと作った固めのインクは、ディープエッジの版にぼんやりと残って、なかなかマッチする。

もう少し、中央部分の圧着をシッカリとして、気泡を途中で取り除けば、もっと綿棒が並んだ感じが出せたと思う。

アタシの性格だと、きっとリベンジすると思うわぁ。(シツコイ)

裏面は、こんな感じ。

さすがに、一度に両方の面の版画を作ったのは初めてだわぁ。

こちらは、お教室のSさんの作品です。

いい版だったので、アタシの、オリジナルインクで刷らせてもらいました。

オジャラは最近、イスの版画の収集を始めたのです。

固めに練り上げたインクは、程よく面に残り、残したいところにインクがシッカリと残ってくれます。

インク講座に参加してヨカッタっす。

レシピは、

●リト用のレッド(たぶん、クリムソンだと思う)

●銅版画用のヴァーミリオンとクリムソン

●岩絵の具のオレンジと赤

●貝殻の金粉

●アマニ油

を適当に混ぜ、練り棒で練り合わせます。

適当なので、二度と同じ色が作れないというのが何だわぁ。

版画の完成度を決めるのは、色の濃淡なんです。

でありますからして、濃い部分、白い部分、グレーの部分の配置が重要になるわけです。

白い部分は白く拭き上げますが、黒い部分も残したい。

拭き上げすぎると白くなってしまうが、拭き加減では、グレーにもなる。

それがディープエッジの深いところっすね。

オリジナルのインクは、厚く盛り上げると、結構色が黒目に出ます。

普通のインクだと、この、黒い部分がもっと明るくなってしまうので、赤などの濃淡が(黒やブルーよりも)薄いインクだと、メリハリが出ないのですが、固目に調合したインクは、シッカリと版に残ってくれるので、微妙な刷りが楽しめるのです。

リト用のインクを使うのは、銅版画のインクよりも安いからだそうです。色も、バリエーションがあって楽しめます。

貝殻の粉や岩絵の具を入れると、絵の具がザラザラとしていますので、版を傷つけないように、注意しながら拭きあげましょう。