◆◆◆ 黒ニスで、完成度を高めよう ◆◆◆

エッチングで、描画に失敗したりすることありますよね。

●銅版画専用の黒ニスです。

フツーのニスでもいいんじゃないかと思います。プラモデル屋さんとかに売っている奴で。

銅板に塗ったときに、透明だと、塗ったかどうか解らないから、黒くしているんじゃないかと思います。

あと、灯油などで洗ったときに、落ちやすいというのがあるかもしれません。

普通のニスだと、固くなりすぎて、落とすときに、逆に銅板に傷がついたりするかもしれません。

アタシは、バリにいたときに、マニキュア使ってましたけど。落とすの大変っす。

これは、ニードるで描画したあと、黒ニスで、仕上げをしているところです。

グランドを薄く敷くと、テーパーのあと、小さい穴ができてしまうんです。

これを、ピンホールといいます。

そんでもって、そのピンホールは、普通の腐食では、たいして問題にならないのですが、アタシみたいに、5時間とか漬けてしまうと、その小さい穴からも腐食されてしまい、傷になってしまうのです。

意図していない部分が黒くなってしまうということです。

この絵なんかでも、目の上とか、目の下など、白く出したい部分なのに、点になってしまっている場所があります。

点をバニッシャーで消したために、シミが広がったりもしています。

これが、ピンホールによりできた腐食です。

アタシの場合、人物が多いので、お顔や、腕なんかには、このシミを作りたくないんです。

そんなもんで、その辺の小さい穴を、腐食する前に、ニスで覆って、余計な傷が版につかないようにするのです。

この版は、ニス止めをしなかったので、こういうことになったのでした。

こちらは、プレートマークの側にできたピンホールです。

アタシは、プレートマークが、長時間の腐食に耐えられるように、周囲にセロテープを貼っています。

そのセロテープのエッジが、ときどき、腐食されてしまうことがあるのです。

黒ニスで、セロテープの周囲も止めるべきでした。

なにせ、20時間も漬けてしまったものですからね。

黒ニスは、大量に塗ると、取るのが面倒なんです。それは、プレートマークにセロテープを貼って、剥がすのと同じくらい、嫌になる作業です。

でもまあ、繊細な作品ほど、傷が目立ってしまいます。

傷があるだけで、作品の価値は、80%減なのです。

そんなこんなで、きちんとした作品を残したい方は、ニス留め、オススメします。

腐食の前に、失敗した線のカバーや、ピンホールがないかどうか、必ずチェックしましょう。

黒ニスは、普通、細筆などで、直接ビンから取って、銅板に塗りますけど、アタシは、マニュキアの瓶に詰めて使っています。

左のプラスチックの容器には、やはり黒ニスを入れています。

マニキュアの筆は、繊細な作業に向きませんので、ネイルアート用の筆というのを中に仕込んでいます。

細かいピンホールを埋めるのにいい感じです。

プレートマークのセロテープのエッジを止めるのには、沢山ニスが必要です。

そのときに、左の容器に詰めたニスを、ちょぼちょぼ出して、マニキュアの筆で塗っていくと、作業が早く済みます。

黒ニスは、リグロインで薄めるので、プラスチックは溶けると評判なんで、リグロイン、あまり入れすぎないようにしましょう。

プラスチック容器に詰めると長期には利用できないみたいです。

ニス留めすると、こんなふうに、キレイな版画になります。

線がきちんと出ていると、色も映えますね。

(この色は、水彩絵の具で、手でつけています。)

シミをね、気合入れて、取り除いた甲斐あってね、ま、なんとかこんなもんだろうというところまでいきました。

線が欠落した部分が、残念っす。

メッキもしたし、結構、いい感じっす。

続けて、オジャラが作品向上のために集めたプロの方の作品をチョロっと展示します。

オジャラは、売買されている版画を、ほとんど見たことがなかったのです。

でも、気軽に買った一枚の作品が、とても参考になったものですから、ちょっと買っちゃいました。

もう買いません。ゴメンナサイ。(貧)