◆◆◆ 銅版画のお手入れ ◆◆◆ここで、作業を終了するときのお話もしておきます。
道具のお手入れが出来ない人は、創作活動を継続できません。
お道具がダメになってしまうと、高くつきます。
厳しくなるのは、アナタのサイフなんで、アタシは、別に構わないんっすけどね。
|
刷り終わった銅板の溝から、インクを取り除きます。
インクを取り除かないとどうなるのかというと、インクが、溝の中で固まってしまい、同じ品質で、印刷ができなくなってしまいます。 どうやってインクを取り除くのかといえば、 灯油を版にドボドボとかけて、ボロ布で拭き取ります。 |
|
インクの色が全く見えなくなるまで、拭き取りましょう。 |
あとは、新聞紙に包んで、しまっておきます。 オジャラは、版画のノートというのを作っています。 ルーズリーフ用の紙と、透明なクリアファイルを使い、試し刷りの作品、銅板と、何枚印刷したのかを記録する紙、をセットで保管してあります。 いつでも、必要な作品を刷り増すことができて、何枚印刷したのかをチェックすることができるようになっているのです。 |
|
|
インクが余ってしまい、明日も続けて作業する時には、トレイの中に一時的に収納します。
ヘラや何かをうまく使って、インクが柄につかないようにしましょう。 そうして、上から、同じ大きさのトレイをかぶせてしまえば、フタになります。 明日ぐらいまでは、続けて印刷が可能です。 インクは、多少固くなりますが、大丈夫です。 プラスチックのトレイなんで、何日も持ちません。 センセイは、タッパーウエアに入れているといっていました。もしかしたら、空気に触れさせないために、インクの上に、ラップをかけているかもしれません。 オジャラは、何日も印刷しないので、だいたい、二日くらいで使い切る分のインクを作り、全部刷ってしまいます。 キレイに刷るのには、インク多めの方がいいです。 |
インクを使い終わった場合には、トレイは、そのままゴミバコに直行します。
ナイフやゴムへらは、インクを新聞などで拭き取って、更に、灯油で完全に落として、水洗いしておきます。 インクがナイフに残っていると固まってしまい、次に、銅板にインクを詰めるときに、銅板を傷つけてしまいます。 銅板が傷ついたときのショックというのは、アナタには解らないと思いますけど、自分で作品を作るようになると解ります。 ですから、まだ、インクが柔らかいうちに、手入れをするというのが、一番、効率がよくて、手がかからないのです。 アタシも、こんなコンテンツを作っていないで、さっさとアトリエに行って、昨日の続きの刷りをして、インクを使い切ってしまおうと思います。 |
|
|
刷り上った作品は、オジャラは、プラスチックのトレイの上に置き、交互に並べて乾かすようにしています。
この方法だと、盛り上がったインクが潰れなくて、キレイに乾燥できるのです。 場所も、最小限で済みますし、使わないときには、小さく重ねて収納できて便利です。 100円ショップで同等の品を買えると思います。 作品は、最低でも3日は乾かした方がいいと思います。 そのあと、作品を重ねて、更に2週間位乾かしています。 このとき、乾燥がキチント出来ていないと、あとでカビ生えるらしいです。 薄い紙に印刷したときには、水張りをして、平らに乾かすのが普通ですけど、アタシは、水張りは面倒なんで、やらないで済むように、厚めの紙を使っています。 |
|
吸い取り紙達も、大量に濡れているので、広げて乾かします。
これを乾かさないとどうなるかといえば、中でカビがはえてしまいます。 カビが生えるとどうなるのかといえば、この紙で吸い取った紙に、カビが転移してしまいます。 折角の紙が、カビで汚れて、使えなくなるということです。 シッカリと乾燥させておきましょう。 |
|
プレス機もお手入れします。 まず、機械からフェルトを外し、乾かします。 オジャラは、窓枠から、センタクバサミを吊り下げておき、そこをフェルト乾燥場所に決めています。 まず、乾かす場所を作ってあげれば、フェルトも、忘れないで乾かされます。 置く場所を決めておかないと、邪魔なので、いつまでもプレス機の上ということになりかねません。 濡れたままのフェルトを置いておいたままにすると、プレス機は、錆びてしまいます。 錆びるのは、最悪です。 ですから、フェルトは必ずはずしましょう。 |
刷りに利用した、プラスチックのシートも、灯油で吹き上げます。
ここで掃除をしておくと、いつまでも使えます。 プレス機は、圧を緩めて、乾いた布でからぶきしておきましょう。 『雨上がりの夜空に4号』は、快調に作品を刷ってくれています。 この、プラスチックのシートも、ベッドの上ではない場所に保管しましょう。 |
|
次は、マツヤニを使って、アクアチントにチャレンジしてみましょう。版画に、黒い面を作る作業です。 | |