◆◆◆ 銅版画の下準備-2 ◆◆◆

必要な道具などを準備したら、早速作ってみましょう。

●銅板を、ピカール、銅板磨剤などで、よく磨きます。

銅板に、直接ピカールをつけて、ボロ布で磨きます。

左の写真は、あまり磨かれていません。

この後、せっせと磨きました。

●プレートマークを作ります

オジャラは、プレートマークは、この段階で作ります。

プレートマークというのは、銅板の端を削ることです。

銅板のエッヂが垂直だと、プレス機で高い厚をかけたときに、紙がチギレてしまったりします。

そうならないように、エッジをナナメにするのです。

作家さんによっては、このプレートマークをツルツルにしたり、大きな角度をつけたりします。

プレートマークを見るだけで、誰の作品なのか解るように、決まった場所に、傷やマークをつけたりする人もいるらしいです。

そんなこんなで、作家の個性が出せる場所だという、ご説明をしておきます。

まあね、ホントに個性のある作品なら、プレートマークに個性入れなくても、誰の作品か解るんっすけどね。

この、刀のような道具は、スクレーパーといい、お高いです。金属用の、普通のヤスリで構わないです。

プレートマークは、少し作ると、作品が格調高くなりますし、紙が傷つきませんので、ご紹介しておきます。

ツルツルにするのは疲れます。

でも、完成した作品が、メチャクチャ美しく刷り上ります。

オジャラのセンセイは、手を抜いて、生徒さんがプレートマークをつけていないと、ちゃんと作るように、指導を入れます。たはは。本格的だぜ。

◆カッティングシートを貼ります

銅板よりも、カッティンク゛シート、少し大きめがオススメです。

ボロ布を使って、空気を抜きながら、丁寧に貼ってゆきましょう。

空気があると、中に液が入ってしまい、折角保護した意味がありません。

また、プレスしたときに、穴が破裂したりして、あまりいいことありません。

この段階で、密着させて貼るのがコツです。

この工程は省略できません。

もし、カッティングシートが手に入らない方は、グランドを裏にも薄く塗り、腐食を防ぎましょう。

最後に、カッターナイフで、カッティングシートを銅板と同じ大きさに切り落として完成です。

この作業は、グランドを行う前にやらなければなりません。グランドを塗った後に、この作業をやると、せっかく美しく広げたグランドが、傷ついてしまい、やり直しになるからです。

◆グランドの塗り方

いよいよ、グランドを、銅板にかける作業に入ります。

グランドは、薄く、均一に広げなければなりません。

ボテボテと厚い部分ができたりすると、ニードルで線が上手く描けないばかりでなく、腐食にも悪影響がでます。

せっかく、上手く絵がかけたのに、グランドの塗りが悪いと、版画が失敗してしまうのです。

オジャラは、グランドにはとても苦労しました。

結局液体グランドを購入し、これを使うことに決めたので、一応、お知らせしておきます。

グランドにもイロイロありますけど、これが一番手軽で、ムラなく、安定して作れます。

◆塗り方

グランドを塗るときには、緊張します。

理由っすか?

●液が高い

●失敗すると、周囲に飛び散り汚れてしまう

●失敗すると、やりなおさなければならない

●失敗すると、手がグランドでネトネトになる(灯油じゃないと落ちないので、手が臭くなる)

などからです。

まず、中央を目指して、少し多めに、銅板の上に、グランドを広げます。

片手で撮影しているので、ブレてて申し訳ないです。

グランド液は、ウスターソース程度ですけど、濃い場合は、リグロインで少し薄めたりするみたいです。

◆右奥方向を目指します

中央に乗せた液は、まず、右奥方向を目指します。

それから、左奥に移動し、更に、左手前、右手前という風に、銅板の上を一周させます。

一周したら、ビンに戻します。

おおっ。失敗しているぜ。

一部、グランドが塗れていない部分がありますね。

撮影しながらだと、難しいっす。

これね、失敗すると、やり直しです。

灯油をジャブジャブとかけて、ボロ布で、グランドを全部取り去ります。

グランドを版から取り除く作業は、暖房していたりすると、引火して危険なので、外でやりましょう。

冬は寒いので、グランド塗りに失敗して、×ゲームをやらされている気分になります。

失敗しないように、慎重に、グランドを塗るのがポイントです。

もう一枚にチャレンジ。

真ん中、右奥、左奥。

 

左手前、右手前に、そーっと流して、ムラなく広げます。

戻ってきたら、液を全部ビンに戻します。

これやらないと、グランドがボテボテしてしまいます。必ず、多めにグランドを乗せて、最後にビンに戻すという作業にします。

最初のグランドが足りないと、版に塗り残しができてしまい、やり直しになるからです。

結構しつこく、液をビンに戻すのがコツです。

おおっ。キレイに塗れたぜ。

塗られたグランドは、平らな所において、10分位乾かします。

そんじゃ、次は、テーパーしてみましょう。先は遠いなあ。