◆◆◆ 銅版画の下準備 ◆◆◆

それでは、これから、『エッチング』の工程を、詳しくご紹介してゆきます。

(ドライポイントは、いきなり版に傷をつけるだけですから、説明は要らないのです)

お教室などが近くにない方が、エッチングを自力で制作できるというマニュアルを目指しています。

↑写真は、寒冷紗です。

買わなければならないもの

●銅板

●ニードル

●カッティングシート

●グランド(防食材)

●腐食液

●腐食液を入れるタッパーウエア

●銅版画用のインク

●印刷する紙

●インクを溝に入れるヘラ

●インクを練るナイフ(ペインティングナイフ)

●インクを乗せるパレット

●エッチングのプレス機

●銅板を磨くピカールなどの金属研磨剤

あるといい品

●寒冷紗

●バニッシャー(銅板の傷を消せる)

●スクレーパー(プレートマークをツルツルに)

●金属用ヤスリ

●ニス

●ニス用の筆

その他、準備する道具

●カッター

●セロテープ

●ボロ布

●紙を水に漬けるす大きな容器

●紙の水滴を取る吸い取り紙

●ろうそく・ライター

●ニッパ

●しょうゆ(少量)

●新聞紙

●エプロン

●軍手

●インクを拭き取る、電話帳のような紙を、ハガキ程度の大きさにカットした品(大量に必要)

●グランド(防食材)の買い方

このグランドを何処で買えるのかというご質問を頂ましたので、答えを書いておきます。

私は、文房堂という画材店で買っています。

このグランドは、カリスマ刷り氏様のいる、版画工房OMさんで製造されています。

ですから、直接お問い合わせしても、買うことが可能かもしれません。

文房堂さんでは、電話で注文し、郵送のサービスもしてくださいますので、直接聞いてみてください。

あと、似たのを銀座の伊東屋で見たことあります。

500ml入りで2000円前後だったと思います。結構お高いっす。

防食材には、固形・液体があります。

初心者は、『版画工房の液体グランド』を買いましょう。

オジャラは、バリ島で版画の制作をしなければならず、液体グランドが危険物で、成田空港で没収されてしまい、気絶しそうになりました。

やむなく、固形グランドを溶かして、自分でグランドを作っていましたが、なかなか、自分の目指す線が作れずに苦労しました。

圧倒的に、この液体グランドをオススメします。

でも、固形を誰かからもらったりした場合には、もったいないからそれを使います。自力でテストを繰り返してみましょう。

できなくはありません。目的に到達するのに、時間がかかるというだけです。

このほか、グランドには、ソフトとハードというのがあります。初心者は、まず、ハードグランドエッチングを習得します。

ソフトも試したい場合、ハードグランド液に、サラダオイルを2滴くらい入れて、よく混ぜて使います。

ハードグランドがあれば、ソフトは自分で作れると覚えましょう。

ですから、必要なのは、ハードグランドだけでいいのです。そうして、初めは、なるべく液体を使いましょう。

自分でグランドを調合するなどというのは、上級者がやることだということです。

◆腐食液の買い方

銅板を腐食するのには、腐食液というのを使います。

最も使われている腐食液は、第二塩化鉄と呼ばれる液体で、しょうゆのような色をしています。

初心者は、これを買いましょう。

また、エッチングのプレス機の大きさより一回り小さい、プラスチックのタッパーウエアーを買うといいです。

腐食液はこれに入れ、密閉しておくと、いつでも銅板の腐食ができて便利です。

腐食液は、750ミリ程度で400円はしなかったと思います。

版が隠れるぐらいの量があればオーケーなので、一本あると、20枚以上腐食できます。

◆銅板の買い方

画材店が近くにあるときには、銅板が売っている可能性があります。

無い場合でも、取り寄せてくれます。

銅板は、できれば1ミリを買いましょう。

少しお高いから、コストを節約したいという方は、0.8ミリを買いましょう。

0.5ミリはオススメしません。あとで版がゆがんでしまい、使えなくなってしまうからです。

初心者は、片面が既に磨いてある銅板というのを買うこともできます。

磨かないで済むのでカンタンです。

ちなみに、グランドが既に薄く塗られた銅板というのも売っています。グランドをまだ買っていない方、手にいれ辛い方、部屋を汚したくない方は、こちらを買いましょう。あっという間に作品が作れます。ボチボチつくるのであれば、これで十分です。

アタシのように大量に作る人は、板金屋さんで、銅板を買ってきて、自分でカットして、更に、銅板を磨きまくらなければなりません。

その方が安いということは、一応、ご説明しておきます。

銅板を自分で切るのは、ホントウに大変です。

オジャラはのこぎりで切ったため、使えない銅板多数出してしまいました。(使ってますけど・・・・)

必要なサイズにカットして、送ってくれる会社もあります。

『白銅』さんの『小口.com』にアクセスして、聞いてみましょう。オジャラはここで買っています。

◆ニードルの買い方

ニードルも、イロイロなお値段のありますけど、

細いのと、中くらいのがあると便利です。

初めは、安いの一本でもいいとは思いますね。

そのうちに、どうせ欲しくなって、イロイロ買うはずですから。

オジャラは、細・中・太の三本使っています。

その割には、作品にはあまり、強弱ないのが特徴っす。

結局それでは描画した線が欠落するということが続き、お高いの(左側)もゲットしました。

キリのような形をしています。指先に強い力が入るので、線の欠落は無いのですが、力を入れすぎると、線がゆがんでしまうという新たなる問題に直面しています。

◆カッティングシート

銅板を、そのまま腐食液に入れると、腐食されてしまいます。表面は、グランドを塗りますから、グランドが塗ってある部分は腐食されませんけど、何も塗っていない裏側は、腐食されてしまいます。

裏側の腐食を防ぐために、カッティングシートを貼り付けます。

ゼッタイに必要です。

カッティングシートが上手く貼れないという方は、グランドを裏にも薄く塗ってしまうという方法もあります。

ようするに、腐食されなければいいのです。

銅の面をむき出しにしたままで、腐食液につけるなと言っているのです。

そんじゃ、細かい部分の準備の説明に入ります。先は遠いなあ。