2004/1/31

インクGメンの、マニアックな人達。

エプロン姿にバケツがよく似合うぜ。

準備するものは、練炭と、炭。

その他、キャンプなどに使う品々。

そうして、今日は、リンシードオイル1リットルを、更にバーンドして、燃焼をススメ、粘度を上げましょうという実演である。

へぇー。

センセイは、『ゼッタイに家ではやらないように。』などと、火遊びをする子供に向かって言い含めるように、なんども繰り返すのだった。

そんな、自宅でできないようなこと、教えてもらってもなあ・・・。

これって、インク作りのトレビアなの?

そうして、リンシードオイルは、ペンキ缶のような、取っ手付きの缶に入れられて、加熱を開始。

リトグラフの不要になった版をフタにして、グツグツと加熱を進めてゆく。

ブツブツと泡が出てきて、生油が煮えたぎるまで加熱。

危険だわぁ。(→元石油会社勤務のアタシは、この筋の危険度について、かなり詳しい。)

松明状にした種火を、この、煮え油の中にぶち込みます。

マジっすか?

うっひょーっ。危険極まりナイぜ。

危険物取り扱い主任者はいるのかよ?

(アタシがいたわ。おほほほほ。)

こんなことして、大丈夫なのかなあ。

そういえば、製油所でも、高圧で油燃やして、不燃物を取り除いていたからなあ。そういう作業なのかしら?

などと、ぼんやりと、新人研修時代を思い出していると、油はメラメラと燃え始めてしまう。

オイル缶は、爆発炎上。

マジっすか?

フタしてたからだよなあ。それに、ここまで沸騰すれば、火から下ろしても、勝手に燃焼するはずだもんなあ。やっぱ、この缶では容器が小さすぎたのかもなあ。

まだ、失敗に気づかないアタシ。

アルミ板のフタまで燃える、大火事で、実験は、失敗に終わったのだった。

大量にリンシードオイルを被って炎上した、シチリン。もう使えないかもなあ。

少なくとも、バーベキューには一生ムリというニオイ・・・。

センセイっ。危険なことは、よく解りました。家ではゼッタイに、作りません。キッパリ。

ちなみに、どうするのが正しかったのかといえば、油が沸騰したら、火から下ろして、引火すればヨカッタらしい。

そんで、不純物が燃え尽きるまで焼き尽くす。

そうすると、オイルの粘度が上がっている。

もし、もう少しオイルの粘度を上げたければ、もう一度その油を沸騰させて、もう一度焼きを入れる。

という方法を取るのが正しかったと、カリスマ様は、あとで、しきりに反省論を語られていました。どちらにしても、プレートオイルを作ろうと考えた参加者はいないはずなので、やはり、これは、インク作りのトレビアとして、伝説になると思います。

そうして、全員がガックリと肩を下ろして工房に戻ると、そこには、見慣れぬ機械が・・・。

『こっ、これ何っすか?』

『これは、銅版切る機械なんですよ。』

『マジっすか?』

『そんじゃ、ちょっと切ってみますか。』

このようにセットしてね、足でガシャンといきます。

おおっ。銅版持ってくればヨカッタぜ。

そうして、利用が終わると、危険極まりないこの装置は、クサリを巻いて、鍵をかけられてしまう。

マジ、危ないのよ。ギロチンみたい。