*-*-* 美の値段(池田満寿夫 著)を読む *-*-* 

帰国してから、アート市場のスタディーを続けていましたけどね、

この本で一発解決した話が大量にありました。

まず、画家の死後に絵が値下がりするという話です。

死んだ後って、普通絵が値上がりするんですよね。

たとえば、ゴッホでもルノアールでもそうでした。もう、作品が増えないんだから、値上がりするというのが通常の感覚っす。

でも、日本の場合、値下がりする。

変じゃないですか?

という謎について、書いてありました。

特に日本画の場合ですけどね。

『新作買い上げ』という形で、画廊の集団が、仕入れた絵をいくつかの画廊に転売することにより、値をつりあげているのだそうです。

生前、相場よりも高い値段で流通しているため、死後、相場価格に戻るというようなことが書いてありました。

ふーん。

商法的に言わせていただくと、『飛ばし』に近いやり口で、詐欺行為っぽいけどなあ。

外国の人が、昔の浮世絵は集めるのに、日本画を集めないというのは、この辺の価格の不透明性とか、信頼の無さからくる結果なんだと思います。

自業自得かあ。

それでも、日本画の人気は根強いですよね。

ゼネコンも、ビルなんかを建てる時には、有名日本画家の作品を贈るなどという習慣があるらしくて、お高い場所でマーケットが存在しているって話のようでした。

まあいいか。

そういう、不信感や、価格の根拠の無さが、現在のアート離れを生んでいるということには間違いが無く、正しい商道を学んだアタシにしてみれば、驚くべき話大量で汗です。

現実を見つめ、新しい時代を作らないと、庶民がアートを手に出来る日は永遠に来ないということですね。

アートは高いものだから、金持ちしか相手にしないという芸術家の話を聞いたことがあります。そういう道もありますよね。まあ、どっちが正しいということはないのです。

でも、アートに携わるのであれば、現実を知るというのは、大切です。

もう一つの謎は、海外でのアートの扱いと、日本の扱いの違いですね。

こちらも理解できました。

アメリカは、税金を使って、アートを集めるというのに成功したのです。

誰だって税金なんて払いたくありません。

そこに着目しました。

個人の寄贈を募るのです。

美術館は、金持ちに、まず、アートを買ってもらいます。オークションかなんかで落札してもらったりします。

そんでもって、美術館に寄付してもらう。

そんで、美術館に寄付してもらった金額は、免税にするというステップです。

寄贈者にしてみれば、『この絵は○○氏寄贈』というように、自分の名前が美術館に残るし、その分は税金の支払額から免除されるわけですよね。

悪くない話です。

税金でアートを買っていると言えなくもありませんけど、そこまでしないと守れない域というのがあるということです。

そのほか、国の事業で建築物を作ると、その予算の1%は、必ず芸術作品を買わなくてはならないという法律があるのだそうです。

国費でも、アート収集をしているということです。

若いアーティストの絵は買われ、アーティストは、少し絵を描く時間が長くなります。

知名度があがるまで、時間がかかるのです。

多くのアーティストは、そこに達するまで金が続かず、その道を諦めなければなりません。

絵画制作は、営利活動なのか、それともゲージュツ活動?

そうだよなあ。アタシは会社にしているから、営利活動なんだけど、別に儲かっているワケじゃないからなあ。

道楽なの?

趣味?

職業?

売れてないから、職業というワケでもない。

フクザツーっ。

でもまあ、美術品かそうでないかというのが重要だということは理解できた。

画家になるためには、美術品を作らなければならない。ということである。

美術品って何よ?

最近は、その辺のコトをよく考えている。

あいだみつをの書は、美術品ではないが、ゲージツである。

という感じかなあ。

マーケットの構造が理解できてきたので、今度は、作品や芸術に対する知識やなにかをまとめてみようというワケ。

そういう、構造とか商品の位置づけがわからないと、進むべき道もハッキリしないということなのよ。

プロとプロじゃないって、どー違うのよ。

アタシ的には、まあ、絵で食えていればプロだし、少し稼いでいれば、セミプロって感じですよね。

絵画界には、もう一つの指標があります。

それは、展覧会を開く時に、画廊に出展者がお金を払うのか、画廊が全部プロデュースしてくれるのかという違いです。

よーするに、画廊は、『この絵は売れるに違いないから、一緒に儲けよう』

と思ってくれたアーティストをプロデュースして、世に出してくれるということです。

本によると、ちゃんとした美術品であれば、買い求めた人から、同額で買い取ってもくれるらしいです。

同額で買い取ってくれるってスゴイっすよね。(まあ、常識的に考えれば、引取り値段はある程度下がる可能性大っすよね。)

アタシ、実際に見たことあります。

画廊のオジジ様が、大収集家様に『貴殿のコレクションはさぞ素晴らしいですから、いつでも買い取りに応じます。キッパリ』

ですって。

あーた、ドラマとかじゃなく、生で見たのよ。この瞬間を。

カッコイイぜ。(→このときの交渉は、買取価格と同額かどうかまでは解りませんでした。念のため。バブル期よりも、アートの値段は下がり気味ですから、その辺は考慮される可能性あります。)

ゲージツ品って、やっぱ、そういう域なんだよなあ。

当然に、収集家は、安くて優れた作品を見つけ出して、自分で持っていますから、画廊は買った時の値段で買い取っても、実際には値上がりしているってことなんでしょうかね?

あれれーっ。最初の日本画の話とズレがあるよねー。

というふうに、その構造は複雑で、どれが真実なのか良く解りません。

ゲージツの価値が解る目というのを鑑識眼といい、鑑定団なんかを見ていると、その辺がある人とない人で結果に差がでているということになります。

この前、音楽番組というのを見たときに、ジミーヘンドリックという人が出ててね。

彼は、音楽を芸術にまで昇華させた人物なのだと紹介されていた。

なるほどぉ。芸術なわけかぁ。

あれがねぇ。

何処がスゴイのかといえば、今まで、誰もやっていなかったことをやったという所がすごいらしい。

へぇー。

確かに、音楽とは言えないが、ゲージツだと言われれば、よく解らない。たはは。

ドッチでも構わないけど、ステージの上で楽器をブチ壊すパフォーマンスは、人間の本能にあっているのだと思う。

昔は狩猟したり、戦ったりして何かを殺すというのがフツーだったけど、今は、そういう本能から離れて生活している人が多いからね。

まあ、誰かが楽器を壊すのを見るというのも、一つのストレス解消法なのかもしれないよなあ。

アタシがバンドをやっていたときに、ギターを壊すパフォーマンスを仲間がやっていたけど、あれはあれで楽しそうだったよなあ。ギター会社も儲かるし。たはは。

そんな感じでさー、ゲージュツというのは解りづらい。

でもまあ、人と違うことをはじめてやった人というのは、かなり待遇がイイというのは、なんか理解できてきた。

そんなこんなで、身近な部分から、自分なりに、芸術に触れてみたり、考えてみたりすることは大事かなあと思う。

『美の値段』はまだ売ってるんで、気になる方は、是非読んでみてください。イイ本で、アタシも3回も読んでます。

満寿夫の凄いところは、自分の作品の芸術性がわかっていたというところですね。

どんなに絵が描けても、それが芸術かどうかというのはビミョーだということです。

目指すべき場所は、芸術ということは解りました。

どーやって、自分の作品を芸術だと人が認めるまでに昇華させるのか。

この辺ですよね。

でも、それは、自分の作品が『ゲージツだから理解しろ』というのとは違うということです。

ゲージツかどうか判断するのは、その道のプロです。

『画商』もしくは、『収集家』もしくは、『研究者』だけが、芸術かどうかを見極めることができるということのようです。(たまに、作家も、芸術かどうか解る人がいます)

そんでもって、その中の誰かが『芸術だ』と言うと、他の人も『そーなのかぁ。これがねぇ』と思うようなところがあるみたいっす。

アタシには、モチロン解りますよ。人の作品がゲージツか、そうでないか。

売れてるとか、売れてないとかとは別な話なんです。

それがね、自分が手に入れられるのかどうかというのは、まだわかりませんけどね。

知名度と比例している場合も、日本では多々ありますよね。

芸能人が描いたとか、そんなんでも売れたりするわけで、その辺も深い世界です。

どっちにしたって、もし、アナタがアートの初心者であるならば、あまりイロイロ考えないというコトですね。

アートのある生活というのはイイもんです。

まず、そこからスタートするってことが大切です。

まず、買える作品を一枚買ってみる。

それが、ポストカードでも、有名画家のポスターでも、何でもいいのです。

トイレとか、冷蔵庫とか、パソコンの横とかに貼って、毎日眺めてみましょう。

イイもんだなあと思ったら、今度は、版画系を一つ買ってみましょう。

額付き2万円位でさがしてみるといいでしょう。

無名の人のなら可能性あります。

不忍画廊さんとか、養清堂画廊さんなんかは、版画中心で、アタシも何度か行ってますけど、幅広い価格帯で、いい作品を見ることが出来ます。

アート初心者にも、イイと思います。

買うのであれば、自分で予算を決めて、その予算でイロイロ見てみるというのがいいと思います。

三省堂の5階辺りにある、海画廊というのも、見やすいです。

筋としては、ちょっと高めかなあ。まあ、見るのはタダだし、本を物色したついでに流してみるというのはイイと思いますよ。

本屋さんの一部に画廊スペースがあるので、他の画廊さんなんかに比べると、絵を見やすいと思います。

アタシも、版画時代が長かったです。

今でも、当時買ったリトグラフのポスターは部屋に飾ってありますけど、イイもんです。

そのあと、バリに行って、アクリル画とか、油彩を買いました。

もちろん、全部家に飾っています。

ホンモノの持つ力というのは、印刷物とは似て非なるものです。

アタシの作品かどうかは別にして、多くの方が、勇気を出して、アートを買ってくださるといいなと思って、このコンテンツを書いているのです。

アートが身近にあるって、イイもんですよ。

好きな方は、自然と何枚も買ったりもしています。

そういうもんなんです。

少しとっかかりにくいだけなんです。