買った絵を、どのように飾るのが一番いいのか
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●やっぱ額に入れましょう
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よくテレビで見かけますよね。
『集めた品物を箱に入れたまま保存している人』
あれはねぇ、はぁ。
アタシに、そういう人の気持ちが解らないということではありません。
でもね、もし、アナタがアート初心者で、
初めて絵を買おうとしているのであれば、
『額に入れて身近なところに飾る』
というのをオススメしますね。
最初の方で、『紙に書かれた水彩画などは、油絵より、耐久性が低い』と書きました。
それは、ホントウです。
紙に描いたり、印刷されたりしているんだから、仕方ないんです。
それは、例えば、ビニールに入れて、押入れの中に10年入れておいたって、
劣化してしまうことだってあるのです。
桐の箱を誂えて、その中に入れた?
あとで、転売して、儲けようとか、思ってらっしゃるんですかね?
ほとんどの作品は、売るときには、二束三文っす。
でも、折角なんだから、いつも見える所に飾って、楽しむほうが
絵の為にも、自分の精神衛生上にもいいんじゃないかと思いますけどね。
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紙作品の場合、どんな風に劣化するのか
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紙が酸化してしまい、カビ・シミのようなものが沸いてきます。
また、光も大敵です。
日光が直接当たる場所に置くと、必ず焼けなどが起きてしまいます。
それは、額に入れていても同じです。
日本画の掛け軸などは、額にも入れないで、空気にさらしっぱなしなので、
長期に展示を続けた場合、必ず色焼け・シミ・絵の具の欠落などが起きてしまいますね。
劣化の原因が酸化なのですから、極力空気から遮断してあげるというのが、
作品にとって、一番いい保管方法だと思います。
額というのは、ガラスやアクリルがついているガラスであれば、
ある程度、箱の中で保管されるのと同じ役割を果たし、入れなかった場合よりも、
かなり長持ちするということです。
アナタが、美術館巡りなどが好きで、作家さんの素描などを見たことがあれば解ると思います。
ムシ食っていたり、色やけ・折れ・カビなどが生えていたりしますよね。
どんなに有名作家の作品であっても、書棚に保管している程度では、
あのように劣化してしまうということなのです。
劣化は避けられません。
でもまあ、2-3年は、イイコンディションを保っていると思います。
10年くらいは、飾れます。
その程度楽しむという気持ちで、買うというのが正しいということです。
ビトンのバックが、いくら頑丈だからといって、10年間も毎日使えば、
修理が必要になるくらいヘタるでしょう。
バッグよりも安価な価格で求めた品に、毎日楽しませてもらった上、
ヘタるなというアナタが間違っています。
アタシは、15年から20年くらい前に、美術館でポスターを買い、
額に入れて飾っていました。
バリに行くときに取り外してみたら、全部にシミが入っていました。
ま、印刷物も、紙に描かれた品も、そういう運命なんだと今は受け入れることができています。
でも、アタシが油絵を始めるきっかけにもなっていると思います。
長期に楽しめる作品作りというのは、大切なんです。
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おじゃら.ねっとから水彩画を買った方には
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『色が退色する話』は必ず、事前にお伝えしています。
例えば、版画の場合、『インクだけで刷った作品』というのは、
後から水彩絵の具で手彩色した作品よりも、長く劣化しないで展示できるのです。
それは、水彩絵の具の色が、長期の展示で、銅版画のインクよりも早く劣化するからです。
でも、お客様には、色付きをオススメすることが多いですね。
アタシの作品はそんなに高くないですから、
『この程度の値段のアートが、何十年も持つと考えない』
そこがポイントっす。
どうせ、2-3年の命なのであれば、色付きの方が飾っていて楽しいのです。
退色は、ジワジワと、気が付かない間に起こりますから、毎日見れる場所に置いていると、
あまり気づかないです。
でもまあ、あんまり高い作品は買わない方がいいような気がしますね。
『200万円で気に入ったのがある?』
ま、いいか。アナタのお金だし。
アナタが価値があると思えば、買えばいいのです。
自分が、飾りたいという作品に会うというのは、人生の中で、
あまり多いことではありません。
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ビニールに入れて渡している
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アタシも、美大とか美術館の研究員じゃないんで、専門的な作品の保管方法というのが
よく解らないですけど、お求めになった方は、アタシよりも更に絵に慣れていないことが多いです。
そんなもんで、作品をお求めの場合、どうするのが一番いいのかは教えてあげています。
通常、ロール紙と呼ばれる、薄い紙に包んで、ダンボールなどに挟んで運搬する場合が多いみたいです。
アタシは、作品を直接ビニールに入れてしまっています。
そのあと、ダンボールで挟みます。
理由は、『作品にとって、一番避けたい状態』というのは、
『折れ・色褪せ・シミ・汚れ・濡れによる劣化』
などだからです。
ほとんどの人は、ダンボールから出すと、額に入れるまで、そのまま飾ったりします。
ポストカードに描いた作品なんかは、机に貼り付けたりもして、ずっとそのまま飾られるということが多いです。
ビニールに入っていると、ビニールのまま飾ります。
これだけでも、大分劣化が違うのです。
ダンボールを作品と一緒に収納してしまうと、ダンボールの湿気やヨゴレが
作品の痛みを早めてしまうことも考えられるので、あくまでも作品だけをビニールに入れて、
折れを防ぐために、ダンボールで挟んでいます。
そうして、『額縁屋に行くまでは、ビニールから出さないで、飾るなら、
折れないように、そのまま飾ってね。汚れないからね。』
と念を押しておきます。
ほとんどの方が、守ってくださっているみたいです。
皆さん初心者なので、上級者のアドヴァイスに忠実で助かります。
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油絵もビニールに包んで渡している
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油絵というのは、フツーの画廊なんかは額付きで売りますけどね。
絵を作成しているとわかるのですが、絵の原価なんかよりも、
額縁というのは、メチャクチャ高い品物なんです。
アタシの場合、版画を多く扱っていて、お客様も、ものすごく遠くから来ることもあり、
シートで持ち帰る方が多いです。
油絵も、小さい作品なら額付きでも構わないのですが、
大きい作品は、額を持ち帰るのが大変なんです。
予算的にとりあえず、『作品』だけお求めになるという方もいないわけではありません。
その場合にも、アタシは、油絵をビニールに入れて渡しています。
油絵は、ガラスを入れなくても大丈夫だと思っている方もいらっしゃいますけど、
額に入れて飾ると、いつの間にかその状態で20年位、経ってしまうのです。
例えば、ビトンのバックを、箱などに入れず、20年間展示した場合を考えてください。
ホコリなんかが積もって、薄汚れてくるでしょう。
油絵だって同じです。
表面に、目に見えないヨゴレが堆積して、最初の作品よりも、ずいぶんと『どんより』してしまいます。
モチロン、洗剤で洗ったりできますけどね。
物凄く強い画肌を持っていますから。
でもね、シロウトは、そんなことしてはいけません。カンバスが劣化していて、
取り返しが付かないことになるかもしれませんから。
そうすると、ヨゴレを落とすのに、どうするのかという話になりますよね。
『専門家に頼んで、修復してもらう』ということです。
金がかかるんですよ。
そんなことよりもね、ガラス付きの額に入れてあげるだけで、
表面のヨゴレによる劣化が物凄く少なく済みますからね。
『額を買いに行くまでは、ビニールから出さずに飾って』
『額縁屋には、ビニールのまま持込んで』
『ガラス付きの額に入れてくださいね』
『そうすると、500年位は持つと思います。』
と話すと、固まる人は多いです。
500年は大げさかなあ。100年位は大丈夫だろう。
という風に、大切にすると、カンバスに描かれた油絵などは、美しい色を保ちながら、
物凄く持ちが良いのです。
例えば、保険に入るにしたって、一日当たり、いくら払っているのか考えるでしょう。
水彩画は持って10年展示できるとして、10万円で買いました。
1年当たり、1万円ということになります。
油絵は、100万円しましたけど、100年持ちますから、1年当たり1万円となり、
一日当たりのコストは同じという計算になります。
作品の耐久性と価格は、連動しているということなのです。
ただ、アナタが100年生きられるワケではありません。
水彩画でも、高い水彩画は、高い材料(紙も絵の具も)の上に描かれていることが多いので、
お値段も多少高くなるということです。
でも、大切にすれば、長く楽しめます。
しかしながら、モチがいいのかというのは、アナタ次第というぶぶんが大きいのです。
ご丁寧に、絵にスポットライトなんかつけた場合、熱で、色やけ・色褪せ起こります。
光は遮断することは難しいですが、直射日光を避けるだけでも、
モチは大分違います。
ですから、薄日が当たる玄関なんかには、ウチはアクリル画を掛けています。
版画系は、日光の入らないアトリエに。(→下町はみんな家の中が暗い)
そんな感じです。
額に入れて展示してある作品は、ある程度の劣化は覚悟して飾っています。
でも、作家にとって、『作品を、額に入れて飾っています』と、お求めの方が
教えてくださること程、嬉しいことはありません。
『飾られない絵は、存在しないのと同じ』だと、アタシは考えています。
どうせ、人生に、1枚か2枚しか絵を持たないのであれば、
身近な所に、飾ってあげてください。
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まとめ
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作品の保存に関してのまとめです。
『ホコリやヤニ』などのヨゴレが、絵の表面に付かないように保護してあげる。
というのがベストということです。
それは、アクリルや、油絵であっても同じとアタシは考えています。
額縁屋さんは、『油絵は、ガラスが無くても大丈夫』
などと説明してくれます。確かに大丈夫なんです。
絵をよく見ようと思ったら、ガラスなど無いほうがいいのです。
でも、このままの状態で、50年飾られることを考えてみましょう。
額が汚いからといって、買いなおす人『初心者』はあんまりいないです。
沢山持っている人は、買いなおしますけどね。
ということは、額ごと、何十年も展示され続ける。
ということになります。
作品の価値というのは、コンディションによって決まります。
『いいコンディションのまま、何百年も経っている品物』は高いのです。
何百年先の話を考えることも無いと思いますけど、
『自分が所有している間は、自分の落ち度で、作品を劣化させない』
ということを心がけましょう。
作品を劣化させないというのは、
『汚さない』
『日に当てない』
『折ったり、直接触ったりしない』
『ビニールとか、ガラスなんかが無い状態で展示しない』
という感じです。
ビニールのコトをアナタはバカにしているかもしれませんが、
400年も土に戻らない、強靭な素材です。
自然素材ではありませんので、空気から完全に遮断でき、
酸化や湿気による劣化をある程度防げます。
アタシは、バリ島に住んでいましたので、紙の劣化を目の当たりにしていますが、
ビニールに包んでいた作品は、過酷な環境にも関わらず、ほとんど劣化していませんでした。
絵画作品も、『大切にされれば』いつまでも輝いてくれます。
ペットや、家族や、恋人やバッグだって同じでしょう。
そんな気持ちで、『一番劣化しない方法』を選んであげるというのが、
作品の価値を下げないということです。
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額が2万円と言われました
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ま、それくらい取る所がフツーっすよね。
オジャラは、職業柄、大量の額縁を見ていますけど、
やっぱ、額縁の値段による差というのは、歴然ですね。
昔、夫婦で稼いでいたときには、金がありましたので、額縁は、老舗に頼んでいました。
F4程度の特注品の額で、1個作るのに、25000円前後は払っていたと思います。
当時は、この価格がフツーでした。
最近は、激安額縁というのを買っています。
絵を売るというのはとても大変なことなので、額縁代にまであまりお金が回らないのです。
もしくは、お客様の方も、『額は今度のボーナスが出てから買う』
などという場合もあります。
そんなこんなで、双方の事情により、完全に乾燥した油絵は、
ビニールに包んだまま、お客様に渡され、お客様もその状態で何ヶ月も持っている場合もあります。
そんで、いざ、ボーナスが出て、『額を買いに行ったら、絵よりも高くて、買えなかった』
という話を聞きますね。
額って、ホントにそんなに高いのか?
ってことっすよね。
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